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■第九座 五穀最上国家経営之段(曲目名通称:種蒔き)
(ごこくさいじょうこっかけいえいのまい)

この曲目は、五穀が実り、国が豊かに栄えることを表した舞いです。この曲目は二人で舞われ、一人は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)で、三番叟(さんばそう)の面をつけ、三方、扇、鈴を持ちます。 もう一人は、面をつけた保食命(うけもちのみこと)で種壷、扇、鈴を持って舞います。神楽歌の後、種壷より種子(洗米)を三方につまみ入れ、種まきの動作などをします。

「五穀最上」とは、米・麦・粟・豆・稗(ひえ)の五穀の中で、米(稲)は、「命の根」にも通じて最も大切な穀物であるということです。その米をまいて国土を豊かにするので、この舞いは通称「種まき」と 言われています。「国家経営」とは、国づくりのことで、国を治めるには、まず初めに人々を安心させ、人々は君主を養うために農業に精を出し、それぞれ一生懸命働けば、国家は安泰であるということを教えたも のと言われています。

■第十座 翁三神舞楽之段(曲目名通称:翁三神)
(おきなさんじんぶがくのまい)

この曲目は、いかに世の中が平和であっても、どんな悪人が陰謀を企てるとも限らない。このような平和のときこそ「舞楽=武学」が大切であるということを教えている舞いと伝えられています。 この曲目は、二人により舞われ、面をつけた翁、三番叟(さんばそう)、千歳がそれぞれ翁(日の丸)を持って舞います。この翁三神とは、表筒男命(うわつつをのみこと)、中筒男命(なかつつをのみこと)、 底筒男命(そこつつをのみこと)の住吉三神のことで、住吉三神とは、古来から海路の守護神、海上の保護神として信仰されています。この舞いは、式三番を象ったもので、他の舞いとは非常に異なっています。 式三番とは、能楽の「翁」のことで、能楽ではこれを神曲と称して、大変めでたい曲として特別な扱いとなっています。また、猿楽では、神道的な解釈が行われ、翁を天照大神、千歳を八幡大菩薩、三番叟を春日明神としています。

■第十一座 鎮悪神発弓靱負之段(曲目名通称:鎮悪神)
(ちんあくじんはっきゅううつぼのまい)

この曲目は、弓矢を持って舞い踊りますが、武にすぐれた須佐之男命でさえ恐れさせたことで、敵を退散、悪魔を降伏させる神楽で、今の世でも諸々のたたりを鎮め、取り除く神楽として勇壮に舞われます。また、疫病などが流行したときに、この神楽を舞ったと伝えられています。 この曲目は、二人により舞われ、面をつけた右大臣、左大臣が弓矢、鈴をもって舞います。

「鎮悪神」とは、荒ぶる神を鎮めることで、「発弓」とは、天照大神が下界を鎮める際に諸神に与えた弓矢のことをいうそうです。「靱負」とは、靱(ゆき=矢受け)を背負うという意味です。

この舞いは、「須佐之男命が天照大神に会おうとした時、大神は須佐之男命の悪い心を見抜き、女神ながら男神に装い。多くの矢が入る靱を背負い対面した」という神話を題材にしたものです。

■第十二座 天神地祗感応納受(曲目名通称:感心)
(てんじんちぎかんのうのうじゅのまい)

この曲目は、農民が耕作を怠らず、一生懸命行っても、年によって豊年のときもあれば凶作の年もある。しかし、一年中穀物の神を祭り、豊作を祈れば天候はよく豊年が続くに間違いないという 教えを含んでいると伝えています。また、願いがかなうことを祈って、この神楽を十二座の終わりに置いたといわれています。この舞いは、二人で舞われ、イザナギの面をつけた鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)は、 青大弊と鈴を持ち、イザナミの面をつけた玉依姫命(たまよりひめのみこと)が五色弊と鈴をもって舞います。

「天神地祗」とは、天地間のあらゆる神々のことで、この神々の心が人々の善悪に「感応」(=答える)し、「納受」(=ききとどける)していただけるという意味です。記紀神話の中で、天照大神が、天から降りる御子に鏡を 渡した時に「この鏡はひたすら私の心として、私を拝むのと同じように敬ってお祭りしなさい。」と諭したといい、この鏡のように、人の善悪はすべて神々に映っているので、善いことを行えば神々はこれに感応し、諸願を聞きとどけてくれる といいます。

□太刀折紙之舞(番外)
(たちおりかみのまい)

この曲目は一人による舞いで、面をつけた手力男命(たぢからをのみこと)が折った白紙と扇を持って舞います。その後、右手でもった太刀で折り紙を切って舞う神楽です。 この神楽は、家内安全、悪魔よけの光明を見出す舞いといわれています。また、この曲目は、十二座に編成される以前にあった神楽の名残りと言われています。




□端神楽(はかぐら)

この神楽は一人による舞いで、素面の巫女が白弊、鈴を持って舞います。この神楽は、曲目と曲目の間に舞われるもので、そのため曲はなく拍子方は、次に舞われる神楽の曲を演奏し、 巫女はそれに合わせて舞います。




参考文献・記事転載元  埼玉県鷲宮教育委員会「鷲宮催馬楽神楽」
写真  彩の国満喫 さいたま総合情報ポータル


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